福沢健全期(1882~1898)『時事新報』社説における朝鮮 = Editorial about Korea in Jijishinpo from 1882 to 1898

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The writer made the “List of editorials of Jijishinpo about Korea (1882-1898)”. The following four points were found out. (1) In Jijishinpo from 1882 to 1898, there are 404 editorials related to Korea. This is 7.5% of the total. 　Interest in Korea in Jijishinpo was high. (2) There is no editorial by Japan seeking Korean ownership. (3) The turning point of Fukuzawa’s research is in Yo Hirayama’s “The Truth of Yukichi Fukuzawa” (2004). Before that, Fukuzawa had believed that Korea couldn’t become independent. The idea is derived from the “Korean issue” in Mikiaki Ishikawa’s “Biography of Yukichi　Fukuzawa” Volume 3 (1932). It is based on the editorial “Policy for Korea” that Ishikawa seems to have written. (4) What Fukuzawa wanted was Korea as an independent country with the same values as Japan. Fukuzawa believed that a diplomatic relationship that would be beneficial to both sides could be established by signing a trade and military agreement with the Korean country.

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論者作成による「福沢健全期(1882~1898)『時事新報』の朝鮮関連社説一覧」中の社説から読み取れることは次の通りである。(１)福沢健全期の『時事新報』での朝鮮関連社説は確認できる分だけでも404日分ある。これは同期間の全社説中のおおよそ7.5％に相当する。同紙の朝鮮への関心は高かったことが確認できる。(２)全集への採録・非採録を問わず、日本による朝鮮の領有への志向を明確に示す社説は発見できなかった。(３)『福沢諭吉の真実』(2004)の刊行まで定説とされてきた、福沢は早くから朝鮮の独立は不可能だと考えていた、という見解は、石河幹明著『福沢諭吉伝』第三巻(1932)中の「朝鮮問題」編に由来している。しかしそこで下敷きにされている社説「対韓の方針」(1898)には、より積極的な日本による介入が示唆されているだけである。しかも、その起筆者は石河自身であった可能性が高い。(４)福沢が一貫して希望していたのは日本と同じ価値観を有する独立した朝鮮国であった。その独立朝鮮国と通商や軍事での協定を結ぶことにより、両者にとって利益のある外交関係が築けると福沢は信じていたのである。

참고문헌 (Reference)

1 平山洋, "｢福沢諭吉｣とは誰か‐先祖考から社説真偽判定まで" ミネルヴァ書房 2017

2 竹内好, "近代日本思想史講座 第8巻" 筑摩書房 1961

3 松沢弘陽, "近代日本の形成と西洋経験" 岩波書店 1993

4 福沢諭吉, "続福沢全集" 岩波書店 1933

5 坂野潤治, "福沢諭吉選集 第7巻" 岩波書店 1981

6 福沢諭吉, "福沢諭吉全集" 岩波書店 1959

7 慶応義塾, "福沢諭吉事典" 慶応義塾 2010

8 平山洋, "福沢諭吉の真実" 文芸春秋 2004

9 福沢諭吉, "福沢全集" 国民図書 1925

10 渡辺利夫, "決定版·脱亜論‐今こそ明治維新のリアリズムに学べ" 扶桑社 2017

11 遠山茂樹, "日清戦争と福沢諭吉" 福沢研究会 (6) : 1951

12 平山洋, "アジア独立論者福沢諭吉‐脱亜論·朝鮮滅亡論·尊王論をめぐって" ミネルヴァ書房 2012

13 西村幸祐, "21世紀の｢脱亜論｣‐中国·韓国との決別" 祥伝社 2015