本稿は、拙稿「『交隣須知』筆写本と刊行本の韓国語語彙の比較」(『日本文化学報』45集)の後続編で、『交隣須知』筆写本の韓国語語彙が刊行本においてどのように受容されたかを通し...
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2011
Korean
913
KCI등재
학술저널
119-133(15쪽)
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本稿は、拙稿「『交隣須知』筆写本と刊行本の韓国語語彙の比較」(『日本文化学報』45集)の後続編で、『交隣須知』筆写本の韓国語語彙が刊行本においてどのように受容されたかを通し...
本稿は、拙稿「『交隣須知』筆写本と刊行本の韓国語語彙の比較」(『日本文化学報』45集)の後続編で、『交隣須知』筆写本の韓国語語彙が刊行本においてどのように受容されたかを通して、近代韓国語の変遷過程と語彙的特性、そして本書がもつ言語の通時的研究資料としてその価値および有用性について考察したものである。まず日本語は、初刊本において対訳の語彙を採択するにおいてまずは増補本類のそれを参照し、標題語と意味的に同じか類義語の関係にある日本語を受容しようとする傾向がうかがえた。その背景には、既存の増補本類の日本語に比べて当時のより標準的な語彙を反映しようとする編集意図があったものと推定した。いっぽう韓国語の場合は、古写本類の苗代川本から刊本にいたるほど近現代的な傾向が強くなり、増補本類は新旧語が共存する過渡期的な言語現実を反映しているものと思われる。結果的に、本書の成立が18C初だとすると、苗代川本は原「交隣須知」の古形をより多く保っているものとされる。この苗代川本は大体19C初に筆写されたものと推定されるが、その韓国語は大体18C、つまり近代中期ごろの言語現実を反映するとみて差し支えないと思う。そして19C末の初刊本は近代語の後期に属するし、その間に位置する増補本類は、言語変化に保守性をあびてはいるものの、大体1800年を前後した時期の文献資料に分類できると思う。
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