本稿は、敬語表現でない考えや表現を敬語表現にする際に考えなければならない項目の一つである主体の認識の問題について考察を行った。敬語表現でない表現を敬語表現にする過程に...
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本稿は、敬語表現でない考えや表現を敬語表現にする際に考えなければならない項目の一つである主体の認識の問題について考察を行った。敬語表現でない表現を敬語表現にする過程に...
本稿は、敬語表現でない考えや表現を敬語表現にする際に考えなければならない項目の一つである主体の認識の問題について考察を行った。敬語表現でない表現を敬語表現にする過程について分析・考察している敬語表現化(金東奎、2006)における敬 語表現化要素の一つである敬語表現認識をもとに、主体の認識について、認識の個別性・主観性の問題、人間関係・場に対する認識の問題を中心に論じた。主体の認識に関わる項目には、題材・内容、ストラテジーなど様々なものがあるが、個別性をもとにした人間関係と場に対する認識は、敬語表現認識におけるもっとも根本的な問題だからである。 敬語表現における主体の認識は、その共通性・社会性を認めつつ、個別性、主観性の重要性に目を向ける必要がある。 敬語表現に関わる自分、相手、話題の人物における関係である人間関係においては、上下関係だけでなく、親疎関係と立場・役割を入れた三つの軸を中心に考えていくことが重要である。特に、個別性に基づいた親疎関係に対する認識と、生活共同体 における共通の認識に基づいた立場・役割の問題に注目する必要がある。 主体が認識する時間的・空間的な位置として規定される場においては、改まり・くだけと時間・空間といった二つの軸を中心に考えていく必要がある。敬語表現の使用やその度合いを決める改まり・くだけだけでなく、物理的な時間と時間の流れ(経緯・文脈)に対する認識と、場所としての空間に対する認識の問題にも注意する必要がある。
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