第二章 本章では, 會話を構成する要素の一つである參加者(turn所有者)が, どんな發話(turnタイプ)を, いつ, どのように話す(turn-takingタイプ)かという觀点で, 韓·日の會話におけるturnとturn-ta...
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[Ochanomizu] : お茶の水女子大學大學院, 2002
Thesis (doctoral) -- Ochanomizu Joshi Daigaku , 人間文化硏究科 比較文化學專攻 , 2002
2002
일본어
410 판사항(20)
iv, 120 leaves : ill. ; 30 cm.
Includes bibliographical references.
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第二章 本章では, 會話を構成する要素の一つである參加者(turn所有者)が, どんな發話(turnタイプ)を, いつ, どのように話す(turn-takingタイプ)かという觀点で, 韓·日の會話におけるturnとturn-ta...
第二章
本章では, 會話を構成する要素の一つである參加者(turn所有者)が, どんな發話(turnタイプ)を, いつ, どのように話す(turn-takingタイプ)かという觀点で, 韓·日の會話におけるturnとturn-takingを調べ, 雙方の全體的な構造及び固有の會話スタイルとの關連を深った. まず, 現段階でのturn議論を踏まえ, それぞれを檢討し融合する形で修正を施した上で, turnを捉え直し, turnとturn-takingタイプの分類を提示した. このような分類に基づき, 韓·日の會話におけるturnとturn-takingタイプを量的に調べ, 雙方の異同を明らかにした.
これらをまとめると, まず第一に, turnタイプにおいて, 韓·日ともに主流turnと非主流turnが總turnの大半を占めているが, 韓國語では主流turnの方が非主流turnより約1.6倍多く, 逆に日本語では非主流turnの方が約1.2倍多くなつていることが分かった. また, 韓國語の會話では實質的な內容を持つ主流turnが, 相づちのほぼ2倍近くなっており, 判斷·說明·質問·要求·回答など實質的な內容を含む主流turn間のやりとりが續く中, その半分弱の割合で傾聽·理解·同調·促進·興味などを示す相づちが揷入される. 他方, 日本語の會話では, 相づちの方が主流turnを多少上回つており, 主流turnと非主流turnがほぼ同じ割合で交わされ, 聞き手であつても相づちを送りながら, 一つの流れを共同で形成してかる樣子が見られた.
第二に, turn-takingタイプにおいては, 韓·日ともに自己選擇が85%から90%弱とかう極めて高い割合を占めいる. 兩方ともに他者選擇が10%程度で, 再自己選擇の割合は非常に低いことから, 韓·日とも大體同じ傾向を示すことが分かった. また, 自己選擇のうち, 現話者のturnが終わってから次のturnを取るturn取得の方が, 現話者のturnがまだ完全に終了しなかうちに次のturnを取るturn奪取よりはるかに多くなつており, 韓·日間に類似した傾向が見られた. しかし, turn奪取の內譯は大分異なる樣相を表した. まず, turnを取る際の話し手の姿勢に關わる, 協力的割り입みか强制的割り입みかという点では, 槪ね同樣の傾向を示しているが, 强制的割り입みの詳細をみると相違が目立つ. 韓國語の場合は, 不同意が强制的割り입みの半分近くを占めているのに對し, 日本語では話題維持が半分以上を占めている. 韓·日ともに, 話題を變えてしまうような割り입みは比較的多くないが, 現話者の話題を保持しつつその內容をさらに展開するか, それともその內容について反對するかとかう点では, 顯著な相違が見られた. すなわち, 韓國語では相手の意見に對して眞正面から反對意見を投げつけるような割り입みが多いのに對し, 日本語では反對意見を直接ぶつけることよりもむしろ相手に同調したり支持するような意見を述べるといった, 話題を維持しながらの割り입みが多く用いられることが分かった. このように, turnとturn-takingタイプの違いが, 韓·日間の會話の全體的構造に差をもたらし, さらには雙方の會話スタイルを特徵づける要因の一つになると考えられる.
以上のようなturnとturn-takingタイプの分類は, 本硏究の出發点であり, 韓·日の會話を比較するための土臺となるものでもある. なぜなら, 會話資料を分析するにあたり, まず分析對象となる言語事象(turn-taking)の基本單位であるturnをどのように捉えて分類するかが肝要だからである. しかし, 予め設けられた分類法に基づかた演繹的な分類では, 화にはまつたパラダイムを檢證するに過ぎず, そこから見られる言語事象はその화조み以上でも以下でもなく, 氣づかれないまま行われてかる日常的な出來事を可視化する作業の妨げにもなり得る. しかしながら同時に, 分析のフレ-ムなくして物事は語れない. このようなジレンマに陷りつつも, 本章ではデ-タに卽し, デ-タに語らせる手法を用いて, まだ精緻化の課題は殘されているものの, 圖2-3(本章47頁)のような分類を提示し, 韓·日の會話における異同を引き出すことができた. さらに, 旣存の硏究成果(渡邊, 1985; 金秀芝, 1993; 舟橋, 1994)が改めて檢證できたことに加え, 兩會話の全體的な構造に差をもたらす要因とその成立過程をかいま見ることができ, これが雙方の會話スタイルを特徵づける一因であることを示した.
第三章
本章では, 韓·日の會話におけるturn-takingとその中に埋め입まれてかるturn-shiftがどのように組み合わさり, 連鎖を形成してかるかを見ることによつて, 全體的な構造における相違をん出し, 雙方の會話スタイルとの關わりを深ることを目的として, その實態の把握を試みた.
まず, 主流turn內で行われる相づちとの移行を指すturn-shiftの有無から, turn-takingパタ-ンIとIIに大別して調べた結果, 韓國語の會話ではパタ-ンIがIIの2倍以上, 日本語の會話ではパタ-ンIIがIの1.5倍以上になつており, それぞれに優位なturn-takingパタ-ンがあることが分ガつた. また, 雙方のturn-takingパタ-ンの連鎖を調べ, 韓國語はパタ-ンIからIIへの連鎖が數回續く間にパタ-ンIIが所所入つてかるのに對し, 日本語はパタ-ンIIからIIへの連鎖が連なってかる間にパタ-ンIが点点と入つていることが分かった. この相違こそが韓·日の會話の全體的構造と會話スタイルに差をもたらす最も重要な要因の一つであると考えられる. これは, 連鎖における相づちをturn-takingの觀点で捉え直し, 現話者の發話とその間に發せられる相づちをひとかたまりと捉えたことから得られた結果である. その根底には, 聞き手の言語行動としての相づち, そして相づちの頻度や機能とかった側面に偏ってかた從來の硏究域の화조みでは究明できなかったこと, つまり相づちがturn-takingのあり方を規定し, さらには會話の全體的構造をも左右し得るとかったことを深究して解明するという狙いがあった.
次に, 韓國語におけるパタ-ンIの連鎖は, 主に次の三つの狀況で行われることが分かった. ①意見の衝突や食い違いが生じ, 互いの意見がぶつかり合う. ②話が盛り上がり, 相手の發話を先取りした完結や同意がある. ③參加者の間で, 問いと答えが繰り返される. 特に, ①のような狀況で, 參加者同士が反論をしたり異なりを調整したりする際, 緩和の役割を果たす手段としてディスコ-スマ-カ-が多く用いられることに注目し, それぞれの동きを調べた. そして, turn-takingパタ-ンIからIへの連鎖型が5∼6回以上繰り返されることを可能にする要因の一つに, パタ-ンIIに見られる相づちの緩衝材としての役割を, ディスコ-スマ-カ-が단い得るという示唆が得られた.
さらに, 日本語會話におけるturn-takingパタ-ンIIの連鎖を, 現話者のturn終了部と次話者のturn開始部の間に見られる相づちの樣相かち四つの油型(II-1∼II-4)に分け, その頻度を調べた. その結果, 先行turnの終了部が實質的な內容を持つ連鎖型II-1とII-2が大半を占め, 日本語會話の最も基本的な連鎖型であることが明らかになった. また, 連鎖型II-1とII-2における現話者のturn終了部は, 名指し, 問いかけ·質問. 동きかけ, 沈默·笑い, 言い切り·言いさしなどで終わることが分かった. そして, それぞれにおけるturn終了表示とturn讓渡表示の明示如何によって, 現話者と次話者の間に相づちが出現可能かどうかを調べ, その程産によって連鎖型II-1かII-2が規定されることが分かった. このようにパタ-ンIIからIIへの連鎖を綿密に調べることによって, 日本語會話の最も基本的な連鎖型とそれを規定する要因が明らかになった.
第四章
本章では, turnのやりとりの際, 次の主流turnを取ろうと試みたものの現話者や他の參加者の承認が得られないため, 話し續けることができず途中で話すのをやめてしまう發話, つまり予期失敗に注目し, それをめぐるやりとりを分析し, 韓·日の傾向を探る試みを行った. その結果, 韓國語の會話ではturn-takingパタ-ンIで行われる予期失敗Iが全體の80%を占めるのに對し, 日本語の會話ではturn-takingパタ-ンIIで行われる予期失敗IIが全體のおよそ70%を占めており, turnを取るのに失敗する際にもそれぞれに特徵的なパタ-ンがあることが分かった. また, 予期失敗の修復と次のturnを取る過程において, 韓國語では予期失敗をした當事者が次のturnを取るのに素早く急テンポのやりとりを繰り廣げているのに對して, 日本語では予期失敗をした者が直ちに次のturnを取ることはほとんどなく, 現話者のturnを尊重しつつ, わりと緩やかなturnのやりとりの中, 第三者が次話者になることが多く見られた. このような韓·日の會話における予期失敗と修復過程の特徵が, 雙方の優位なturn-takingパタ-ンとその連鎖型に加わり, 會話の全體的な構造の違いに隔たりをもたらすことになり, 兩言語固有の會話スタイルを一層確固たるものにしているのではないカと思われる.
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